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[PR]株式分割とその後の株価

 最近、株式分割を発表する会社が増えています。株式分割とは、文字通り1株をいくつかの割合で分割することです。分割の時期や割合は会社側が原則的に自由に決められます。2分割、3分割といった整数で分割することもできますし、1.2分割といった整数でないかたちでの分割もできます。

 最近の株式市場での株式分割は、2つの理由から行われています。ひとつ目の理由は、証券取引所の要請です。

証券取引所は、2014年4月までに株式の最低売買単位を100株か1,000株にするように上場企業に要請しています。売買単位が1株という会社の場合、来年の春までに売買単位を変更しなければならないわけです。その場合、今までの株式数のままで売買単位だけを100株や1,000株にしてしまいますと、株式市場で売り買いできる株の量が実質的に100分の1や1,000分の1になってしまいます。そこで、株式分割を行うことで、株式の売買単位を100株や1,000株にしても、株式市場で売り買いできる株の量に変化が起きないようにするわけです。

 2つ目の理由は、株価を上げるためです。

株式分割そのものは、投資家にとっては株価が変動する要因にはなりません。たとえば、1株で売り買いできる株式を100株に分割しても、すでに1株持っていた投資家にとっては、保有する株式数が100株に変わるだけで経済的な不利益も恩恵も受けません。他の株式保有者も同じように持株数が100倍になるので、発行済みの株式数全体に占める保有割合には変化が起きないからです。

しかし、これから株を買いたいと思っている投資家にとっては、違う意味があります。たとえば、1株を2株に分割して、最低売買単位を変更しない場合です。1株当たりの価格は株式分割で半分になりますから、最低売買単位の株価もそれ以前の半分になります。つまり、今まで、10万円でしか市場で買えなかった株式が2分割によって5万円で買えるようになるのです。

そうなりますと、株を買える投資家が増えることが期待できます。これが、すでに何度もご説明してきました株式投資で最も注意しなければならない「ファンダメンタルズ」と「流動性」の2つの要素のうちの「流動性」の向上につながるわけです流動性が向上するという期待で株が買われるようになり、株価が上昇するということになるのです。